2010年04月23日

生物学的製剤について

 みなさん、こんにちは。気温が不安定な日が続いて、体調管理に苦労されている事と思います。風邪の患者さんがやや増えているようです。桜が散ってから雪が降るなんてあまり記憶にありません。今年のG.W.は天気は大丈夫なのかと心配になってしまいます。

 今回は、関節リウマチに対する治療としての、生物学的製剤について書いてみようと思います。

 言うまでもなく、約8年前に日本でも使用できるようになった薬で、それまでの抗リウマチ薬より効果が高く、特にメソトレキセート(MTX)と併用すると、関節リウマチ患者さんの生活レベルを格段に改善する事を可能にしました。

 現在では関節リウマチに対して、日本では4種類の生物学的製剤が使用できます。点滴製剤が2種類で、皮下注製剤が2種類です。標的になっている生体内蛋白が2つあり、このうちTNFαを標的としているのが3種類で、IL-6受容体を標的としているのが1種類です。有効率は、国内では80〜90%と高く、副作用の多くは感染症なのですが、適応と検査を確実に管理していれば、重篤なものは予防が可能と思われます。

 問題の1つは、これらの薬剤が高価であることが1つと、更に問題になるのは、これらの生物学的製剤を使用しても有効でない場合です。有効でない場合の機序として考えられている1つは、中和する抗体が生体内に生成されてしまい、薬剤が不活化されてしまうことが挙げられます。また関節炎が生じている病巣局所において、標的としている蛋白が、重要な役割を、その症例においては果たしていない場合、しばらく有効であったが、途中から効果が減弱した場合などが挙げられます。

 中和する抗体の生成が無効の理由として想定される場合には、MTXを増量するのが一般的です。また標的としている蛋白が重要な役割を果たしていないと想定される場合には、生物学的製剤を他の違う分子を標的としている薬剤に交換する事が行われます。また当院では、他の抗リウマチ薬を併用する治療法も行っています。これではじめて疾患コントロールが落ち着いてきた患者さんも5名以上いらっしゃいます。

 以上、簡単に生物学的製剤による関節リウマチ治療について紹介させていただきました。今後もコン年中に新しい生物学的製剤が1-2種類、市販されるようですし、現状の治療でなかなか良好なコントロールが得れていない10-20%の患者さんでも、近い将来コントロールがついてくる可能性は十分考えられると思われます。


posted by きょうさん at 23:41| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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